今回は、Amazonや楽天などで事前に購入可能なヨーロッパ周遊SIMカードTHREEを実際に現地で使用した口コミレポート、設定方法と使い方について詳しくお届けします。
トート
目次
まず結論から。THREE SIMを現地で使用した感想
結論から言うと、使用感としては「まったく問題なし!」でした。出発前には、渡航先が3カ国にまたがること、期間が一週間を超えることなどから、「Wifiルーターをレンタルしていく方が無難かもしれない。あるいはキャリアの海外パケット使い放題にするべきか……」などといろいろ考えていたのですが、結果としてはThree SIMカードにして正解でした。
Three UK(公式サイトはこちら)が取り扱うSIMカードにも色々と種類がありますが、わたしが実際に購入して現地で使ったのは、こちらの”Internet with Legs”というプランになります。
SIMのサイズはスタンダード、マイクロSIM、ナノSIMに対応しています。わたしはiPhoneで使用しました。
THREE SIMカードのメリットとデメリット
わたしが実際に使って感じたメリットとデメリットについて並べてみますね。
THREE SIMのメリット
- 日本で事前に購入できる
- 到着後に空港や街中でSIMを探し回る必要がない
- AMP設定等は不要。2、3分待てば使えるようになる
- 別の国に移動しても、SIMを入れ替える手間がない
- Wifiレンタル、キャリアの海外パケットプランと比べると激安
- 他の周遊SIMと比べても圧倒的にコスパがよい
- データ量・使用期間を選択できる
コスパが良い、国境を超えてもSIMの入れ替えがない、といった点ももちろんメリットなのですが、到着したときに探す必要がないのはすごく大きな利点だと感じました。
THREE SIMのデメリット
- イギリス以外の国では3G通信のみ
デメリットについて触れておくと、Three自体はイギリスの会社です(しかし親会社は香港にある)。したがってイギリス国内では4G(LTE)通信が使えますが、それ以外の国では3G通信となります。
今回わたしが旅行したのはすべてイギリス以外の国だったので、3G回線を使ったのですが、以下のような用途に関してはまったく問題を感じることはありませんでした。
- LINE
- Google Map
- ネット検索
- ブログ閲覧
ヨーロッパでは空港やレストランなど、あちこちに無料Wifiスポットがありますが、混み合っているWifiなどより、はるかに使い勝手がよかったです。もちろん4G回線には及びませんが、動画のストリームなどをしない限り、旅行中に使うにはまず問題はないレベルだと思います。
そもそも、4G/LTEがバンバンつながる日本にいると実感することは難しいですが、ヨーロッパだといまだに通信インフラがそれほど発達しておらず、3Gしかつながらないような地域もけっこう残っています。
THREE SIMの対象国はヨーロッパ・アメリカなど42カ国
イギリスの通信会社ということもあり、ヨーロッパでの対象国が34カ国と充実していますが、それ以外にもアメリカを始めとして、8カ国・地域で使うことができます。五十音順でリストにしてみました。
ヨーロッパのTHREE対応国
- アイルランド
- イギリス
- イタリア
- オーストリア
- オランダ
- ジブラルタル
- スイス
- スペイン
- チャネル諸島
- ドイツ
- フランス
- ベルギー
- ポルトガル
- マン島
- リヒテンシュタイン
- ルクセンブルグ
- アイスランド
- スウェーデン
- デンマーク
- フィンランド
- ノルウェー
- エストニア
- クロアチア
- スロバキア
- スロベニア
- チェコ
- ハンガリー
- ブルガリア
- ポーランド
- ラトビア
- リトアニア
- ルーマニア
- キプロス
- ギリシャ
- マルタ
その他の地域
アメリカ合衆国(グアム・サイパン除く)、イスラエル、インドネシア、オーストラリア、スリランカ、ニュージーランド、香港、マカオ
ヨーロッパでTHREE SIMが使えない地域は?
ヨーロッパの主要国はほぼカバーしています。主要国で抜けているのは、ロシアとトルコくらいのものですね。西欧だけでなく、東欧、北欧もかなりカバーしているのが嬉しいところです。わたしも今回は北欧で利用してきました。
国ごとに現地プリペイドSIMを購入するか、THREEにするか
わたしは上にあげたThree SIM対応国のうち、ヨーロッパだけで21ヶ国を旅行した経験がありますが、 ヨーロッパは小さな国がいくつもまとまっています。日本で言う隣の県みたいな感覚です。
ひとつの国に長期滞在するなら良いですが、複数の国を旅行する場合は周遊SIMの方がずっと楽だと思います。別の国について、SIMを売っているお店を探して、携帯の再設定をして……などなど、いちいちやっていたら非常に面倒くさいです。
トート
ヨーロッパでのおすすめ世界遺産なども記事にしていますのでよかったらご覧ください。
ヨーロッパ20カ国を旅行した私がお勧めする人気世界遺産ランキング 世界遺産100カ所旅行した私が選ぶ!遺跡〜絶景までお勧めランキングTHREE SIMのデータ量と価格帯
通信データ量は1GB/3GB/12GBから選択可能です。利用可能期間は、それぞれ30/90/120日間。初めてデータ通信を行なったときから利用開始となります。
利用期間は最低でも一月もあるので、旅行者にとってはまずは十分な期間かと思います。データ量については、わたしの場合は3GBを選択しました。一週間程度なら、かなり余裕を持って使うことができます。
ヨーロッパ周遊ならマイルで行こう
▲今回の旅行。3カ国をまわって盛りだくさんな内容でした。「トロルの舌」に登ってきた記録は記事にしました。
ノルウェー「トロルの舌」は絶景だった!行き方と持ち物・体験記この旅行では、ヨーロッパまでの往復は、JALマイルで取ったフィンエアーのビジネスクラスを利用しました。
ヨーロッパへの旅行を考えている方であれば、当ブログの主力コンテンツである「マイルの貯め方」についてもぜひ読んでみてください。北欧旅行の翌年にはクロアチアまでANAマイルを使ってビジネスクラスで往復しました。
ANAマイルの貯め方①100万マイルを貯めて48ヶ国を旅した方法 大量JALマイルを貯める方法! 初心者必見のJALマイルの貯め方と陸マイラー的裏技!上記記事で詳しく解説していますが、ほとんどお金をかけることなく、ヨーロッパ往復分のマイレージを貯めることができます。
トート
さらには2019年にはANAマイルでビジネスクラス、JALマイルではファーストクラスの世界一周チケットまで取ってしまいました。マイル様様です。
JALマイルで430万円のファーストクラス世界一周ワンワールド特典航空券を予約した方法と失敗談 【ANAマイル世界一周特典航空券】発券報告!マチュピチュ/ウユニ/ガラパゴス等南米旅行がお得に!ANAマイルお勧めの使い方ぜひ参考にしてみてください。
日本のAmazon・楽天で事前購入可能
話を戻して、Three SIMの大きなメリットのひとつは、事前に購入できるという点かと思います。日本で購入できるメリットは、現地の空港や街中で無駄に探し回る手間が不要である点があげられます。とくに、空港への到着が夜になる場合、空港のSIMショップが閉じていることは珍しくありません。
あるいはあてにしていたSIMカードが売り切れていた、なんてことはわたし自身、何回か経験しています。そういう意味で、日本で入手できるのは安心感があると思います。
THREE SIMの設定手順・使い方
それでは無事に手元に届いたとして、いよいよ利用手順を見てみましょう。まず、これは大前提ですが、SIMフリーのスマートフォンでなければ利用することはできません。
日本での事前準備ーSIMの入れ替えはどのタイミングで?
事前準備と言っても、とくに出発前にやっておくことはありません。空港では通常、けっこう待ち時間があるものですから、その間にSIMを入れ替えておくのも良いかもしれませんが、まぁ、まだ日本の地上にいる間はふつうに通信したいですからね(笑)。
というわけでわたしの場合、日本を出発してから、飛行機の機内でSIMを入れ替えることが多いです。ヨーロッパまでは10時間はかかる長旅。時間はたっぷりありますからね。
これはTHREE SIMを使う場合に限定されませんが、飛行機が離陸する直前に「機内モード」に変更しておきましょう。機内モードにしても、飛行機が機内wifiに対応していれば、通信できることがあります。
【 紛失防止 クレカより薄い SIM カード ケース ホルダー 日本製 】スキマに入る 変換 アダプタ イジェクトピン 4点セット SilverCoral (ブラック)
さて、SIMが届いたら設定を確認しましょう。
-
- iPhone/iOSの場合:【設定→モバイルデータ通信→通信のオプション】で【データローミング】をONに。続いて【設定→キャリア→自動】になっているかを確認。
- Androidの場合:【設定→モバイルデータ通信】で【データローミングを有効】に(機種によって細かい設定は異なる)。次に通信事業者の設定が「自動」になっているかを確認します。
トート
それでも問題なく通信可能でした。飛行機が着陸したら、機内モードをオフにします。2~3分ほどすると、下記のようなSMSが届きます。これで利用開始です。
▲帰国後にスクショを取ったのでdocomoになっていますが、当然日本国内では通信できません
ヨーロッパに到着してからのTHREE SIMのAPN設定方法
すでに書いたとおり、わたしの場合(ドコモのSIMロック解除済みiPhone利用)、現地についてからとくになにも設定しなくても、自動的に通信が始まりました。
ただ、機内モードをオフにしてからしばらく経っても通信が始まらない場合は、APN設定が必要かもしれません。APNは次のように設定します。
- 名前:なんでもOK
- APN:three.co.uk
- ユーザー名:空欄
- パスワード:空欄
それ以外の項目も未設定でかまわないので、とくに手こずることはないかと思います。
データ残高の確認には登録が必要
残りのデータ量を確認するには、ThreeのサイトでMy Threeというアカウントを作らなければなりません。これが、かーなーりー面倒くさい!です。以下にその手順を記します。
上で貼ったスクリーンショットにあった”Three.co.uk/my3″というリンクをクリックすると、次のページに遷移します。
▲画面右側の「Register here」をクリック
▲Phone/device numberに、SIMカード裏面に記された番号My Three Numberを入力
▲074で始まる上の数字です
すると、パスワードの書かれたSMSが届きます。
▲最初のページに戻り、番号と届いたパスワードを入れます。「Continue」を押すと、認証が終わり、自分の好きなパスワードを設定することができます
続いて、メールアドレス認証があります。
最初に設定されているアドレスはThreeのものなので、Editをクリックし、ふだん使っているアドレスを登録しましょう。そのアドレスに認証メールがくるので、それをクリックすればMy3アカウントの登録完了です。
これでようやく残りデータ量を見ることが可能となります。ね、面倒くさいでしょう(笑)? よっぽど残りの量が不安でなければ、わざわざ手間をかけてまでやるほどのことではないかなと思います。
ヨーロッパで国境を超えた場合の設定作業は?
わたしはiPhoneを利用していたのですが、国境を超えた場合も、とくに何もする必要はありませんでした。自動的に数分で、利用開始時と同じようにSMSが届き、使えるようになりました。
▲国(キャリア)を移るたびにSMSが届きます
ただわたしのケースでは、飛行機や船を利用して国境を超えました。列車や車など、陸路で次の国に入った際に何も起きなければ、しばらくしてからスマートフォンを再起動すると良いのではないかなと思います。
追記)THREE SIMでのテザリングと陸路超えについて
当記事のコメント欄で情報をいただきました。ハンガリー・スロバキア・ポーランドを陸路で超えた方の場合も、とくに手続きをする必要はなく、また、テザリングもご使用になられたとのことです。わたしは旅行中はテザリングをしなかったので、貴重な体験談をいただきました。「通りすがり」様、お礼申し上げます。
キャリアの海外パケットプランとの比較
冒頭で、キャリアの海外パケット・プランの使用も考えた、と書いたのですが、簡単に比較をしてみましょう。キャリアの海外パケットプランは使用データ量によって価格が変わったりするので、ざっくりとした比較ですが……
Three SIM | docomo 海外パケ・ホーダイ |
Softbank 海外パケットし放題 |
au 海外W定額 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
データ量 | 1GB | 3GB | 12GB | 制限なし | ||
利用期間 | 30日 | 90日 | 360日 | 24時間 | 1日(日本時間基準) | |
価格 | 2,140円 | 2,870円 | 5,550円 | 2,980円 | 2,980円 | 2,980円 |
3大キャリアいずれも2,980円の費用が発生します。これが日ごとにかかるわけですから、比べるまでもないですね。ちなみにレンタルWIFIのヨーロッパ周遊3G大容量プランだと、一日1,500円程度かかります。
短期間の利用ならキャリアのプランもあり
現地の滞在がわずか1、2日といった場合は、キャリアの海外プランを使うのはありだと思います。たしかに割高にはなりますが、そのためにSIMを準備するというのはかなり面倒くさいですからね。
わたしは今まで50ヶ国以上旅行していますが、1、2日程度の滞在ならキャリアの定額プラン、3日以上滞在するならSIMの利用が一番便利だなと感じています。
キャリアのパケットプラン・レンタルWIFIと比較した場合のデメリットは?
Three SIMのデメリットとしては、やはりイギリス国外では3G通信になることでしょうか。個人的にはストレスを感じるほどではなかったのですが、ここは人それぞれですからね。加えて、複数人での利用や、大規模なデータのやり取りなどをお考えの場合にはWifiルータを借りるなど、別の選択肢の方がよいかもしれません。
ただ、ヨーロッパではいたるところにフリーWIFIがあります。ホテルはもちろん、お店・レストラン・ツーリストインフォメーションなどなど。画像を大量に送受信する場合はそれを利用するのはありですよ。
また、Google Mapも事前にマップをダウンロードしておけば、通信を切っても(具体的には機内モードにしても)、自分の位置は表示されますし、方向案内程度なら利用できます。同じようなアプリにMaps Meなどがあります。こうした使い方もぜひ覚えておいてくださいね。
ちなみにわたしは旅行のプランを計画する際には、行ってみたい美術館・レストランや泊まるホテル・空港・駅などを、かたっぱしからグーグルマップに登録するようにしています(☆のついている施設)。こうすると現地の距離感や、各施設の位置関係を、事前に知ることができるので、非常に便利なんです。
SIMが届くまでの日数には注意を
そんな使いやすいThree Simですが、もう一点だけ注意を。日本のAmazonで購入する際、業者によっては海外から直接送付となる場合があり、到着までに10日程度を要する場合があるようです(香港の業者が多いとか)。出発まで余裕があるならよいですが、そうでなければ、国内業者にしておきましょう。わたしの場合、eConnect Japan株式会社というストアから購入し、翌日にはポスト投函されていました。
▲日本語の説明書もついていました(けっこうざっくりしたものですが笑)
まとめ
ふだんはマイルの貯め方を主に紹介しているこのブログ。せっかく特典航空券を発行したなら、別に一カ国だけにしぼる必要はないわけですから、何カ国かまわってみてはいかがでしょうか? まぁあまり忙しなく移動するのも疲れるだけだし、じっくり見ないともったいないですが、それでもヨーロッパなら隣の県に行くようなものですからね。今回ご紹介したThree SIMは、強い味方になってくれると思います。
こんにちは。自分もイギリスではThreeを使っています。
ヨーロッパほぼ全てを同じシムで追加料金なくネットが使えるのはすごく魅力的ですよね!
わざわざwifi探したり、シムを買い換える手間がないのがいいです。
日本もカバーされるのを願ってるんですけどねー(笑
私はandroid端末で使用しましたが、ハンガリー・スロバキア・ポーランドと陸路で国境を超えましたが、設定不要で切り替わりました。
また、3か国ともテザリング可でした。
参考までに。
YuKun (id:buleparrot)さん
コメントありがとうございます。
イギリスなら4Gですし、使い勝手が良さそうですね。おっしゃる通り、手間入らずなのがいいですよね!
日本は他のアジア圏との共通SIMは旅行者用のものがあったような気がします。
通りすがりさん
情報ありがとうございます! 本文に追記させていただければと思います。
質問なのですが、私はソフトバンクiPhone7ユーザーなんですが、今回simロック解除して、ロンドンで12ギガ電話番号付き1カ月のthreeを利用しようと思っています。
プロファイル(ソフトバンク)を削除すれば、経由地で設定しさえすれば直ぐ使えるのでしょうか?
何か他にすることがありますか?
帰国後は、threeのプロファイルの削除をすれば良いですか?自動でソフトバンクのプロファイルはダウンロードされませんか??
良く分からないので、お分りでしたら教えて下さい。
お返事おそくなりすみません。
わたしはdocomoしか使っていないのでSOFT BANKに関してはお答えできないのですが、docomoの場合はプロファイルを削除する必要もありませんでしたよ。
また帰国後ですが、こちらのリンクなどからソフトバンクのプロファイルはDL可能です。SIMを元に戻しても通信がうまくいかないようなら、あらためてソフトバンクのプロファイルを入れてみると良いかと思います。
http://faq.mb.softbank.jp/smart/detail.aspx?cid=11771&id=e7559774c4f49666d584971597663434853705a6338773d3d