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マイルで100の世界遺産!旅行記

毎年30万ANAマイルを貯めて、100カ所以上の世界遺産を訪れたトートの旅行情報ブログ

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ヨーロッパ20カ国を旅行した私がお勧めする人気世界遺産ランキング

世界遺産 世界遺産-世界遺産ランキング

こんにちは、トート(@Tort_100)です。

 

今回は、わたしが旅行したヨーロッパ23カ国の世界遺産の中から、印象に残っており、なおかつ人気の遺産を8つ+番外編3カ所を選んでランキングにしてみました。なぜ合計11個という半端な数かといえば、7遺産+3個にするつもりで書いていたら、ひとつ数え間違えてしまったからです……ま、まぁ増える分にはいいでしょう。

 

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目次

 

さてヨーロッパといえば、世界遺産の本場。世界遺産保有国のランキングは次のようになっています。

 

国別世界遺産保有数ランキング

 

1位 イタリア 51
2位 中国 50
3位 スペイン 45
4位 フランス 42
5位 ドイツ 41
6位 インド 35
7位 メキシコ 34
8位 イギリス 30
9位 ロシア 26
10位 アメリカ 23

 

上位10カ国のうち6カ国をヨーロッパが占めています。世界遺産委員会としては、今後は遺産保有数の少ない国の登録を増やしていく方針を打ち出しているので、このランキングも変わってくるだろうとは思いますが。ちなみに、日本は保有遺産20で、12位となっています。


ランキングとは言っても、ちょっとしたルールを設けました。まずは、一国につきひとつの遺産に絞ったこと。そして、城塞・宮殿編、遺跡編、街並編、芸術編、自然・絶景編をとりあげた、以前書き上げた世界遺産総合ランキングに含まれる遺産も外してあります。今回はヨーロッパエリアに特化して書いてみました。

 

 

では、いってみましょう!

 

第1位 300年の建築計画:サグラダファミリア

サグラダファミリア

 

正式名称:アントニオ・ガウディの作品群(文化遺産)

所在地:スペイン、バルセロナ

 

スペインは世界遺産保有数第二位の国であり、すばらしい街が随所にあります。おそらくは数百万以上あるヨーロッパの教会建築のなかでも、ここは大変印象に残っているので、栄えある1位としたいと思います。

 

とはいっても、ある意味、世界遺産の代表格のような教会なので、いまさらご紹介する必要もないかもしれません。しかしわたし自身は、訪れるまでは、妙にガウディびいきの人が多いので、ちょっとうがった見方をしていたんです。「好きな建築家は?」と聞くとガウディと答える人多すぎだろう、と……(笑)。でも正直に告白します。実際に訪れると、大変にすばらしい教会でした。

 

カサバトリョ

▲カサ・バトリョ 

 

世界遺産としては、「アントニオ・ガウディの作品群」とあるように、サグラダファミリアだけではなく、彼が設計したグエル公園、カサ・ミラ、カサ・バトリョも含まれています。いずれもバルセロナにあり、「カサcasa」は家のことで、邸宅になります。仮面のような窓をもつカサ・バトリョなどはたしかに面白いのですが、やはりサグラダファミリアとは比較になりません。

 

完成までようやく10年を切ったサグラダ・ファミリア、聖家族教会。ガウディの没後100年にあたる2026年の完成を目指して、急ピッチで工事が進められています。当初の予定では300年間で完成する見込みでしたが、工法の発展や近年の潤沢な資金により、144年と工期は半減することになります。

 

それにしてもスケールの大きな話ですよね! 三世紀にわたる大建築を依頼するほうもするほうだし、受けるほうも受けるほうだし、着工するほうも着工するほうです。写真に写ったサグラダファミリアの工事進捗具合でアリバイが崩れるミステリー小説を書いてみたいものです。

 

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未完成ながら、すでに誰もが目にしたことがある細く伸びた尖塔がこの教会の特徴です。ヤングコーンみたいですよね。上に貼った写真の4本の塔は一方向のファサードにすぎず、さらに高い塔が教会の中央に立つ予定です。完成予想図を見ると、まだ半分もできていない気がしますね。

 

サグラダファミリア・デザイン

 

このように遠くから見てもとても印象的な姿なのですが、わたしがおもしろいなと感じたのは、むしろ細部や内陣のデザインでした。扉に刻まれた文様や言葉、動物。受難を伝える彫刻、1.618の黄金比を持つ螺旋階段等々――ディテールはいつまでも見飽きません。

 

サグラダファミリア内陣

▲これは我ながらよく撮れた一枚だと思っています(笑) 

 

そしてなにより教会内部にあふれる光と、放射状の紋様を取り入れたデザイン。すばらしいですね。抽象的なシンボルが多用されていて、従来の教会建築とくらべればきわめてシンプルではありながら、そのバランスの妙と幾何学的な美しさには見とれてしまいます。

 

サグラダファミリア内部

 

一方でステンドグラスのデザインもきわめてモダンな色彩感覚で、他の教会とは一線を画するものです。柱廊の幾何学的な構造と、内部に放射される赤や青や緑の光があわさって、ほかに類を見ない内陣となっています。朝方に見る光などは言葉にならないですね。

 

朝といえば、サグラダファミリアは時間予約制で、日本からもネットで予約できるのですが、絶対に開場直後に入ることをおすすめします。人がほとんどいない中で鑑賞するのと、たくさんの観光客とすれ違いながらでは、まったく違う経験になるでしょう。またその際、尖塔に上がるエレベーターも予約することを忘れずに。教会内部に入ってからは購入できません。

 

第2位 ヨーロッパの生まれた場所:アテネ

アテネ

 

正式名称:アテナイのアクロポリス(文化遺産)

所在地:ギリシア、アテネ

 

世界遺産は、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)が主体となって、「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」、いわゆる「世界遺産条約」を元に、登録遺産の選定や審査をおこなっています。そんなユネスコのロゴをご覧になったことはあるでしょうか?

 

ユネスコロゴ

 

これはギリシアの首都アテネにあるアクロポリスの丘に建つ、パルテノン神殿を元にデザインされています。神殿に祭られている女神アテナイが「英知の神」であることから、ロゴとして取り入れられました。

 

 

パルテノン神殿

 

ヨーロッパの源流といえば、ローマとギリシャ文明を外すわけにはいきません。アクロポリスの入り口には誇らしげに「ヨーロッパの生まれた場所」との解説文がありました。なかなか使える表現ではありません。ギリシャの人々の自負心がうかがえますね。

 

昨今では経済危機ばかりが注目されてしまうギリシャですが、あらためて見てみれば、やはりヨーロッパの祖を名乗るだけのことはあります。現代の民主主義の起源にあたる「デモクラティア」。とくにアテネでは、直接民主制がとられていました。今から2500年ほど前のことです。 

 

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古代ギリシャだけでなく、遍く哲学の基礎となったソクラテス・プラトン・アリストテレス。ゼウス、アテナ、アフロディーテ、ポイセドン、ハーデス、ヘラクレス、ミノタウロスなどなど、個性豊かなギリシャ神話ももちろん外せません。漫画やゲームを筆頭に、日本のエンタメ業界もさんざんお世話になっていますね。アテネにはもちろん黄金十二宮が実在します(うそ)。

 

アテネ市内

 

アテネでは、市内を歩いていると、看板や木立の向こうに、ひょいと丘の上に立つアクロポリスが顔を出すのがとても良いなと感じました。ただぶらぶらと歩いているだけで遺跡と出くわす頻度は、ローマ市内と匹敵すると思います。さすがの両都市です。街のなかに遺跡があり、遺跡の中に街がある――それがアテネなのです。

 

アテネ_猫

 

アクロポリスのなにが素晴らしいかというと、犬と猫がかわいいです(そこか)。この子はパルテノン神殿の横でおっぴろげていました。ギリシャはどこに行っても、とにかく犬とネコが多かったですね。犬はたいてい中型以上の大きさなのですが、どの子もものすごくのんびりとしていて、危険な感じはまったくありません。

 

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The Acropolis of Athens 

 

「丘の上の街」を意味するアクロポリス。フォロ・ロマーノなどと比べると、広さ的にはそれほどでもありませんが、薄茶けた岸壁の上に建つ大理石の神殿群、なんとも絵になるではありませんか。遺跡好きからするとほれぼれしてしまいますね。少し距離を置いた丘から眺めるのが一番よいと思います。昔の再現図を見ると、青銅色の大きなアテネ像があったことがわかります。

 

アクロポリス 

また、「少女の玄関」と呼ばれる神殿の屋根をささえる6体の少女の柱像が印象的です(オリジナルは博物館に所蔵)。実はこれらの神殿は今では真っ白ですが、かつてはカラフルに彩色がなされていました。ずいぶんイメージが違いますよね。まぁでも、今の乳白色の神殿も好きですけど。

 

 

サントリーニ島

 

アテネのついでにサントリーニ島です。こちらは世界遺産ではないのですが、すべてが絵になる美しい島でした。ほかにも世界遺産であるクレタ島やロードス島など、見どころ満載のギリシア、ぜひまた訪れてみたいものです。経済危機のせいでしょうが、「本当にギリシャに来てくれてありがとう。危険なことは何もないと友達に伝えてください」と地元の人がおっしゃっていたので、ここでアピールしたいと思います!

 

第3位 ゴーストタウン・ゴーストキャッスル:エディンバラ

 

世界遺産_エディンバラ

 

正式名称:エディンバラの旧市街と新市街(文化遺産)

所在地:イギリス・エディンバラ

 

もともとはケルト人が築いた砦があったとされる、急峻な地形を利用した城と街づくりが特徴の都市がエディンバラです。イギリスといえばどうしてもイングランドとロンドンばかりが目に入りますが、そのロンドンに次ぐ第二の観光都市でもあります。平坦な土地がつづくイングランドとくらべて、フィヨルドに近い山岳地帯をもち、北方ケルト文化の名残をとどめているのがスコットランドの魅力だと思います。

 

エディンバラで圧倒的な存在感を放つのは、なんといっても丘の上に築かれたエディンバラ城です。城を頂点に広がる街並みは非常に絵画的で、変な話ですが、イングランドと激しく対立したスコットランドの一大軍事拠点であったことを考えると、嵐や風雨が似合いそうな、貫禄ある風景だと言えます。

 

 エディンバラ

 

軍事拠点と述べましたが、18世紀以降に人口が爆発的に増加したエディンバラでは、旧市街を囲む城壁の外に住みたがる人は多くありませんでした。では、限られた土地のなかに人が住むにはどうすればいいか。高層建築を建てるか、地下に潜るしかありません。

 

実はエディンバラの旧市街の地下にはいくつものトンネルや地下室が残されています。産業革命により爆発的に人口が増加し、ロンドンは霧の都となりスラム街が現出しましたが、それはエディンバラでも同様で、もっとも貧しい人々が地下に住処を求めたのです。そのうちのひとつが”Edinburgh Vaults”です。

 

エジンバラ

 

当初は飲み屋や靴職人たちが店を構えていましたが、劣悪な環境のため店をたたみ、そのあとには娼窟や場末のパブが入居し、行き場のない人々が住み着いたのですね。なにせ18~19世紀の話です。暗く、換気も悪く、衛生観念のかけらもない湿った地下街は犯罪の温床となりました。

 

エディンバラでは名高い連続殺人鬼バークとヘアが事件を起こしたのもこの場所だといわれています。この時代、医学の発展とともに、解剖用の遺体の需要に供給が追いつかず、死体泥棒が横行していました。そこに目をつけたふたりは、この地下街で犠牲者を物色し、手を下すと、解剖学者に売りつけたのでした。

 

エディンバラ地下


うひー、という内容ですね。さてイギリスのひとつの特徴として語られることに、「幽霊が大好き」というのがあります。実はこの地下街をはじめ、街の数々の血塗られた歴史をめぐるゴースト・ツアーが面白いんです。さまざまな逸話を聞きながら日の落ちた狭い石畳の通路を歩いたり、かび臭い地下室を覗いたり……世界遺産の趣旨からはめちゃくちゃ離れていますが(笑)、そんな旅行も思い出に残ると思いますよ。ちなみにロンドンでは、「切り裂きジャックの犯行現場を巡るツアー」なんかもあるので、こちらもおすすめです!

 

エディンバラ


まぁ歴史ある都市というのはおおむねそういう暗部をかかえているものですけどね。エディンバラでは、ほかにエリザベス一世と激しく対立した女王メアリー・スチュワートの居城だったホリールードハウス宮殿なども残っており、世界史好きには見どころ満載です。

 

Holyroodhouse

 

当時の超大国スペイン・ハプスブルクが無敵艦隊をイングランドに向けて派遣する契機となったのが、エリザベス一世によるメアリー・スチュワートの処刑でした。カソリック勢のスコットランドとスペインが、新教徒のイングランドをはさみ打ちにしようとしたわけですが、この辺の基礎知識をおさえておくと、西ヨーロッパを旅行する際の面白さがグッと増すと思います。

 

第4位 北のベニスは美食の都:ブルージュ

ブルージュ

 

正式名称:ブルッヘ歴史地区、フランドル地方のベギン会修道院群に含まれるベギン会修道院、ベルギーとフランスの鐘楼群に含まれる鐘楼(文化遺産)
所在地:ベルギー、ウェスト=フランデレン州


ブルッヘというよりはブリュージュ、ブルージュといった方が日本では通りがよいでしょう。東をドイツ、南をフランス、西をイギリス、北をオランダに囲まれ、EUの首都であるベルギーらしく、いくつもの呼び名があります。

 

ブルージュ

 

名前は「橋」の意味で、要は英語で言うbridgeですね。その名の通り水路が多く、「北のヴェネツィア」と称されるかわいらしくも美しい都市、それがブリュージュです。ヴェネツィア、あるいは同じように水路が多いアムステルダムほどの規模ではありませんが、そのコンパクトさがまた歩き回るにちょうどよく、散策するにはぴったりの街です。

 

ブルージュ

 

ヨーロッパでも、これほどいたるところが絵になる街というのもなかなかないでしょう。それはやはり規模の面で、拡大しすぎることがなかった恩恵かと思うのですが、歩ける範囲はすべてが中世の趣を残し、首都ブリュッセルのような一部の治安の悪さや猥雑さもなく、品のある佇まいとなっています。


運河は小さなボートで巡ることができます。30分程度ですが、歩くのとは視点が変わるのでぜひ体験していただきたいですね。とくに夜になるといっそう美しく、運河に映りこむ家並みや照明が旅情をかきたてます。

 

 

ベギン会修道院群

 

ブルージュには、もうひとつの世界遺産「フランドル地方のベギン会修道院群」があります。一見、どうということのない中庭つきの修道院にも見えるのですが、その静謐さと、草の緑・壁の白さ・木々の落とす影がミニマリスティックな美しさを持っています。

 

一方街中ではとにかくいたるところにチョコレート店があります。いや、冗談ではなく、100メートルの小路に5軒くらいあったりするのです。いくら観光地とはいえ、よくつぶれないものです。個人的にチョコレートには全然興味ないので、微妙なとこでしたが(笑)。

 

 

ベルギー_レストラン

▲メインは山鳩でした 

 

しかし、チョコレートに限らず、ベルギーはご飯が美味しいです! フランス人がフランス料理を食べに来るとさえ言われるベルギー。わたしが訪れた際はこちらのミシュランひとつ星の店でランチしました。ただ口当たりが良いだけではなく、しっかりと素材本来の味わいが残ったフレンチで、すごく美味しかったです。

 

美しい街並みと運河、さらには美食も楽しめるブリュージュ。大国に囲まれて少々影の薄いベルギーですが、訪れる価値のある街のひとつです。

 

マイルを貯めれば海外旅行も格安に

ランキングも半分まで来たので、ちょっと休憩して旅行法のお話。ベルギーに行ったのは、実はつい一月ほど前、2016-2017にかけての年末年始のことでした。めちゃくちゃ寒かったです(笑)。でもこの際は、航空券代がほぼ無料だったのでお財布にはとてもありがたかったですね。

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このブログのメインコンテンツは実はマイルの貯め方なのですが、あらためて、マイレージを利用しての海外旅行はとてもお得だなと痛感しました。興味のある方はご覧になってみてください。

  

 

第5位 ドナウの真珠:ブダペスト

ブダペスト

 

正式名称:ブダペストのドナウ河岸とブダ城地区およびアンドラーシ通り(文化遺産)

所在地:ハンガリー、ブダペスト

 

ハンガリーの首都、ブダペスト。ドナウ河をはさんでブダとペストに別れた、これもまた大変に美しい街です。もとは共産圏であったというのも、西欧とは異なる街の雰囲気を生み出しているように思います。

 

トーマス・アルフレッドソンの映画が好きなのですが、その数少ない監督作のひとつ『裏切りのサーカス』でブダペストが登場します。ジョン・ル・カレの原作を基にしたスパイもので、めちゃくちゃ渋く、大好きな作品なのですが、あの映画ととてもマッチした、派手さはないものの、とても趣のある大人びた街だと思います。

 


「裏切りのサーカス」予告編


ハプスブルクの本家オーストリアはかつて欧州五大国に数えられる列強の一角だったわけですが、末期にはオーストリア=ハンガリー二重帝国が成立するなど、ハンガリーもそのなかで重要な地位を占めていました。ウィーンに次いで帝国内第二位の都市だったので、その繁栄振りは想像できると思います。

 

ブダペスト


ドナウ西岸には、丘の上にブダ城がそびえています。モンゴル軍やオスマン軍の襲撃により、壊されては再建を繰り返してきました。個人的にですが、こういう都市の包囲戦って惹かれるものがあるんですよねぇ……「ブダペスト包囲」、「コンスタンチノープル攻防戦」、「ウィーン包囲」などなど。

 

ブダペスト

 

その後も火災を経験したり両大戦で激しい損傷を受けたりと、ブダペストの激動の歴史が刻まれた王宮です(現在は美術館になっている)。再建されてはいますが、二次大戦中に降り注いだ砲弾のあとが残っていたりもします。とはいえ、とくに夜に対岸から見ると、ライトアップされた端正な姿はとても美しいです。

 

ドナウを越えた東岸には、聖イシュトバーン大聖堂があります。世界最長の小説こと『グイン・サーガ』に出てくるイシュトヴァーンが思い浮かぶ方もいると思いますが、ハンガリーの初代国王こそイシュトバーンであります。そしてここでの見どころは、その聖イシュトバーンの右手のミイラが、聖遺物として残っていること。

 

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列聖されたイシュトバーンの右手は腐敗しなかったことから、カルト的な信仰の対象となり、12世紀には盗難の憂き目にもあいました。15世紀頃のオスマントルコの占領下ではルーマニア、ボスニア、ウィーンなど転々と運ばれて守られ、二次大戦になってもザルツブルグのトンネルに隠されるなど、大切に守られてきました。ロマンですよねぇ。だって1,000年前の聖王の腐食しない聖遺物ですよ? ぜひご覧になってください。たぶん偽物なんだろうけど(言っちゃった)。

 

意外と知られていませんが、ヨーロッパでも温泉が出る地域はけっこう多く、ブダペストにもいくつかの温浴施設があります。とくにおすすめしたいのはセーチェーニ温泉です。

 

セーチェニー温泉

 

ヨーロッパ最大の温泉施設なのですが、バロック建築の前で入れる温泉なんてなかなかありません。ちょっとおかしいぐらいに温度が高かったりする日本の浴場とは違って、ぬるめの温水プールという感じですけどね。水着も必須です。ハンガリーはローマ帝国の版図でもあったので、まさに『テルマエ・ロマエ』の世界が味わえますよ。レッツ・平たい顔族♪



第6位 世界遺産の人気ランキング一位?:モンサンミシェル

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正式名称:モン=サン=ミシェルとその湾(文化遺産)
所在地:フランス、サン・マロ湾

 

世界遺産の代表格としてよく取り上げられる遺産でもあるので、ご存知の方も多いと思います。しかしその分、適当な紹介をされていることも多く、「お城」として紹介している記事をたまに見ることさえあります。おいおいおい、ここはれっきとした「修道院」ですよ。

 

モンサンミッシェル城

 


とはいえ、英仏百年戦争時には軍事的要塞の役割をもっていたことも事実です。さらにフランス革命期には、修道院ではなく牢獄として活用されていました。こんな背景を持った美しい離れ小島。面白くないわけがありません。

 

中核をなす教会堂はゴシック様式を基礎としています。百年戦争時の城壁がそれを囲むようにまだ残っているのもポイント高いです(城壁好き)。ただ、やはりその姿を満喫できる対岸からの眺めが一番かなとは思います。

 

シャンボワール城

▲ロワールではシャンボワール城が好きです

 

難点としては、フランス有数の観光地なので、日中の混雑はかなりのもの。パリからの日帰りはできなくはないのですが、できればやはり一泊して朝夕の静けさを楽しみたいところです。パリを発って、こちらも世界遺産であるロワール川の古城をめぐる形で、モンサンミシェルに近づいていくのが一番理想的な旅行の仕方かと思います。


モンサンミシェルは、もうひとつの世界遺産「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の一部としても登録されています。これはスペインにある、聖ヤコブの眠る聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼路で、ヨーロッパではかなりメジャーであり、1000年以上の歴史を有し、それこそ四国八十八箇所のような扱いを受けています。

 

Santiago de Compostela


▲サンティアゴ・デ・コンポステーラ

 

ただ、規模の面では四国巡りよりも遥かにスケールが大きく、フランス北西部のモンサンミシェルからはるばるとフランスを縦断しても、まず仏西国境には険しいピレネー山脈が待ち構えています。それを越えても、ポルトガルにほど近いサンティアゴ・デ・コンポステーラまでは約800キロ。モンサンミシェルからスタートした場合、二ヶ月を超える行程です。

 

巡礼者専用の無料の宿など支援体制もある程度整えられています。べつにキリスト教徒というわけではないですが、このようなテーマの旅行も挑戦してみたいな、と思いますね。……まぁ、一部区間なら(笑)。

 

モンサンミッシェルは、世界遺産だけではなく、湿地の保護をかかげるラムサール条約の対象ともなっています。満潮時には海に浮かび、干潮時には歩いて渡れることで有名でしたが、満潮時にはここを訪れる巡礼者が溺死する事件が絶えなかったといいます。

 

そのため19世紀末に、陸地と島をむすぶ橋が完成しました。しかしその結果、潮の流れがせきとめられ、潟に砂がたまる原因となり、ほぼ地続きとなってしまいました。フランス政府は本来の姿を取り戻そうと、古い橋を撤去し、潮流に影響を与えない新たな橋の建設をすすめ、2014年に完成しました。往時の姿を取り戻すことを期待したいですね。

 

第7位 進撃のロマンチック街道:レジデンツ

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正式名称:ヴュルツブルク司教館、その庭園群と広場(文化遺産)

所在地:ドイツ、ヴュルツブルク

 

ロマンチック街道といっても、べつにそのような名前の道路があるというわけではなく、世界遺産や中世の面影の濃い街や城塞・宮殿を結んだ、観光コースの名称です。これはドイツの観光局が設定したもので、観光街道とも呼ばれています。

 

いくつもあるそれら観光街道のなかでも一番人気を誇るのが、ロマンチック街道です。外国人観光客を意識して作られたこの名称、うまいPRですよね! 字義通りに解釈するなら、「ローマに通じる道」ですから、「すべての道はローマに通ず」に倣えば、ヨーロッパ中の通りがロマンチック街道になってしまいますけど。

 

街道に並ぶ街をいくつかあげると、ヴュルツブルグのレジデンツ、フュッセンのヴィース教会という世界遺産だけでなく、城壁と隕石の街ネルトリンゲン、中世の街ローテンブルグ、そして白鳥城ことノイシュヴァンシュタイン城と、見どころ満載のルートになっています。

 

なかでも一番有名なのはやはりノイシュヴァンシュタイン城ですが、実はこれは世界遺産ではありません。いかにも登録されていそうなものですが、ルートヴィヒ2世という中世の騎士道に魅入られた狂気のバイエルン国王が、自分の趣味や好み全開で、19世紀にもなってから必要もないのに建てた代物なのですね。城の構造は鉄骨作りのコンクリートで、伝統的な工法を採用しているわけでもありません。

 

ノイシュヴァンシュタイン城

 

それでも外観はもうおとぎ話の世界そのもの、森のなかに鎮座する姿は大変美しく、間違いなく一見の価値はあります。ただ、城の内部に入ると、やはり各地にある「本物」の宮殿や城とは比べると張りぼて感というか、薄っぺらさを覚えます。ルードヴィヒがワーグナーに傾倒していたのは有名ですが、城の中に人口の鍾乳洞を作ったのにいたっては、苦笑してしまいました。

 

 

レジデンツ

▲レジデンツ・階段の間


一方、正真正銘世界遺産となっているヴュルツブルグのレジデンツは、あのナポレオンが「ヨーロッパ随一の美しい館」と称した、ドイツバロックの極みともいえる大司教の館です。外観は小さなシェーンブルン宮殿といった感想を覚えましたが、品よく感じられるコンパクトな建築です。特筆すべきは内部のほうで、設計したバルタザール・ノイマンは、建物の内装に関しては総合プロデューサとして一歩距離を置き、実務を当時一流の職人・芸術家に託したことにより、実に見事な装飾となっています。うーん、ルードヴィヒとの差たるや……(笑)。

 

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また少し変わったところでは、隕石の街ネルトリンゲンは、あの「進撃の巨人」のモデルになったのでは?と言われています。ここはわたしは行ったことはないのですが、上から見ると、なるほど城壁で丸く囲まれていて、似ていますね。ここに隕石が落下したのは1500万年前で、その際にできたクレーターは、直径23キロに渡り、ネルトリンゲンは盆地となったクレーターの中に位置しています。こういうエピソードを聞くだけでも、行ってみたくなりますよね!

 

8位 愛らしいとんがり屋根:アルベロベッロのトゥルッリ

 アルベロベッロ

 

正式名称:アルベロベッロのトゥルッリ(文化遺産)

所在地:イタリア、プッリャ州

 

世界遺産保有数一位の座を占めるイタリアなので、ご紹介したいところは山のようにあるのですが、そのなかでもちょっと変わったところを取り上げてみたいと思います。ヴェネツィアやローマ、ラヴェンナについては総合世界遺産ランキングですでに書きましたし、ポンペイやナポリ、フィレンツェなどは、いまさらご紹介するまでもない超有名観光地なので。

 

さてアルベロベッロ。舌をかみそう、というか舌そのものといったおかしな名前ですね。イタリアといえばよく長靴の半島と形容されますが、そのかかとの辺りに位置しています。イタリア南部は、北部とくらべるとちょっと旅行しづらいイメージがありますね。

 

イタリアの経済活動をささえる主要都市ミラノ・ジェノヴァ・ヴェネツィア・フィレンツェ・ボローニャ・ローマなどはほぼ北部に集中しており、「北イタリアが稼いだ金で南が遊んでいる」などという言葉がある通り、複雑な事情を抱えています。

 

映画『ゴッドファーザー』で名をはせたマフィアことコーザ・ノストラも南部、とくにシチリアを根城にしていることはよく知られています。まぁ、よそさまの国のことなのであまり分かったようなことはいえないのですが、やはり少々危険な香りがすることは否定できません。

 

アルベロベッロ

 

 が、しかし! そんな危ないイメージなどどこ吹く風のかわいらしい村が、アルベロベロベロベッロなのです。ここはホビット庄ですか?といいたくなるとんがり屋根の小さな小さな家が連なっています。この建築様式を「トゥロッロ」といい、約1500軒が集まっています。「トゥルッリ」というのは複数形です。もともと石灰質の土地であったことから、それを利用する形で、トゥルッリは増えてきたようです。

 

 

石灰岩の切石を積み上げて石灰を塗っただけのシンプルな工法で、建てるのも簡単なら、壊すのも簡単なトゥルッリ。「なんで壊すの?」と思われたでしょうか。おもしろいのは、スペイン・ハプスブルクがナポリを支配していた時代に、徴税役人が村へやってくる知らせを聞くや、トゥルッリを解体して、建物にかかる税金を逃れていたそうです。豪快すぎる脱税方法ですよね(笑)。

 

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現在では宿泊や居住用のトゥルッロもありますが、本来の目的としては、農作物やワインの貯蔵庫として使われるのがほとんどだったようです。ロマンチックで素敵な住居に見えますが、あまり住み心地はよくないのだと地元の人は言っていました。理由を聞くと「丸いから」だそうで、これは納得でした。たしかに、家具の配置には頭を悩ませてしまいそうです。

 

イタリア世界遺産

 

 

あまり広くもないアルベロベッロなので、一緒に、近郊にあるもうひとつの世界遺産「マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園」を回ってしまうのも手かと思います。「岩」を意味する「サッシ」とよばれる洞窟住居は、1950年代まで利用されていました。比較的最近ですね。貧しい地域でありながら爆発的に増えた人口の受け皿となったために、洞窟住居の衛生状態はきわめて悪く、行政によって大半の住民は移住することになったのでした。

 

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残されたマテーラは、ゴーストタウンとも違う、カッパドキアのような天然の奇岩とも違う、不思議な雰囲気の街となっています。高低差があるのでそれがいろんな表情を生んでいますし、とくに夜間ライトアップされた姿はぜひご覧いただきたい、幻想的なものです。日本ではどちらかというとアルベロベッロのほうが有名ですが、マテーラの方が見ごたえがあるかもしれません。

 

番外編・世界遺産以外のヨーロッパおすすめ観光名所

 

ここでいったんランキングを終わりとして、ちょっと話題を変えようかと思います。世界遺産ばかりが見どころじゃない!というわけで、ヨーロッパにある、世界遺産以外によかった街を3つ、ご紹介してみたいなと思うのです。世界遺産検定保持者として言うのもなんですが、あんまり意味ないっていうか、世界遺産として認められていなくてもすばらしい街や風景や絶景はいくらでもありますからね。

 

第一位 終の住処にはよいかも? ナザレ 

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所在地:ポルトガル、ナザレ

 

ポルトガルというのは、なんというか、言葉は悪いですが、大航海時代でときが止まっているような(笑)、非常にのんびりとした国で、だからこそ好きな場所です。そしてご飯が美味しい! 大西洋と地中海に面していますから、シーフードが大変おいしいんです。とくにカタプラーナという魚貝鍋は絶品なので食べてみてください。

 

Allgarve Gourmet Cataplana Experience


ナザレは、ポルトガルの真ん中ら辺にある漁村です。名前だけ聞くと、イスラエルかと思っちゃいますけどね。漁村とはいえリゾート地なのですが、首都のリスボンやポルトなどに輪をかけて、のんびりしたところです。とくになにがあるというわけではありませんが、街の北側には高台が広がっており、ケーブルカーでのぼることができます。そこから見る大西洋に沈む夕日の美しさたるや、言葉では言い表せません。

 

わたしが行ったときにはたまたま夏のお祭りシーズンで、闘牛をやっていました。スペインとの違いは、牛を殺さないんですね。ではどうやって暴れる牛を止めるかというと、人がお腹で受け止めるんですよ。そして数人がかりでおさえこむ。お腹でですよ? 正直、豪快すぎてちょっと引きました。そのときの場内はまさに興奮の坩堝でした。

 

崖下に広がる海岸沿いの村は実にのどかなもので、伝統的な黒い服を着たおばあちゃんがあちこちに座り、名産品のレースを編んでいます。やたら話しかけられますがほぼ英語は通じません。思いがけず居心地がよくて、民宿に泊まったのですが「あらまた今日も泊まってくの」と言われながら、なにもないのに長居してしまった場所でした。

 

どこかでぽっかりと時間が空いたらまた行ってみたいですね。あるいはリタイアしたあとに住みたい場所です。

 

第二位 ゲーム・オブ・スローンズ? アイリーンドナン

 

アイリーンドナン城

 

所在地:イギリス カイル=オブ=ロカルシュ

 

前回のおすすめ世界遺産ランキングをご覧いただければわかると思うのですが、華美なロココやバロック風の宮殿・城塞よりも、無骨で戦いの舞台になったような重厚感あふれる城が好きなのです。ここでご紹介するのはアイリーン・ドナン。まさに敵の手に落ち、悲しい運命をたどった哀愁を感じさせる、廃墟のような城です。

 

Eilean Donan Castle


そしてこのロケーション! たまりません。スコットランドの荒涼とした山並み、寒々しい曇天、鈍色の水面。世界中の遺跡のなかで、天気が悪いほどよく見える場所なんて、ここ以外にはないと思います(笑)。これほど風景にとけ込み、城と周囲の自然が互いを引き立てているのは、ほとんど借景の領域です。映画にもよく登場しているので、知らずにご覧になった方も多いと思います。

 

城に続く石橋がまた重厚で、その手前からぜひ鑑賞していただきたいです。城自体はたいした大きさはないので、すぐに一周できちゃいます。外観からは内部も荒涼としていそうに見えますが、往事の様子を再現したり、意外とがんばっています。イギリスのこの手の施設では、当時の衣装を着ている職員さんが意外と多いんですよね。

 

アイリーンドナン

▲改修前の姿

 

世界遺産にはまずならない城塞です。というのは、現在の姿は20世紀初頭の大幅な改修によるところが大きいので(橋もそのときにかけられた)。しかしこれほどロマンをかき立てる城はめったにありません。

 

第三位 崖の上の町・ロンダ

 

ロンダ・スペイン

 

所在地:スペイン、アンダルシア

 

ロンダは世界遺産ではないものの、とても特徴的な街でいっぺんで気に入ってしまいました。崖の上にある街同士をむすぶこの橋脚、格好いいですよね! 撮影地点までは、遠回りで車を使うか、自分の足で降りるしかありません。登るのは大変ですが、間違いなくその価値はあります。


また、別の角度からはアンダルシア平野がどこまでも続いており、赤茶けた色のせいか、とても勇壮に感じられました。これは旅行記を書くたびに言っているのですが、どの街でもその魅力を堪能できるのは、ほかに観光客が少ない早朝と夕暮れ以降だと思います。小さな町ではありますが、ぜひ一泊することをおすすめします。

 

ロンダ


山間のため、朝の散歩にでかけると崖下からあがってきた靄が町全体を包み、太陽の光を受けてきらきらしていました。美しく雄大な光景です。

 

 

まとめ

 

世界遺産というと、どうしてもヨーロッパが突出してしまう面があります。石造りの文化なので古い建築や遺跡が残りやすいというのも理由ですね。最後の番外編でご紹介したように、世界遺産でなくとも素敵な名所や観光地はたくさんありますので、ぜひいろいろご覧になってみてください。

 

ちなみに、わたし自身がこれから行ってみたいなぁと思っているのはクロアチアのドブロブニク、チェコのプラハ、ブルガリアのリラ修道院などです。西ヨーロッパはほぼすべての国を訪れたのですが、東側はだいぶ見ていないところがあるので、まだまだ楽しみが残っています!  またマイル貯めようっと。

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